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| しっかり固める 基礎編 (宅建初心者向け) |
| 権利及び権利の変動 | |
| 制限行為能力者の制度は、従来の無能力者制度とは、どこが違うのですか。 | |
| 法定代理人は、どういう場合に復代理人を選任できるのですか。その復代理人が本人を害する行為をした場合、法定代理人はどういう責任を負うのですのか。 | |
| 代理人として取引の場に現れた者が、実は代理人ではなかった(無権代理人であった)という場合、相手方は後日、誰に何を言うことができるのでしょうか。 | |
| 代理人と名乗った者が実は代理権を持っていなかったという事実を知っていながら契約をした相手方は、後日に、その契約を無権代理行為であることを理由に取り消すことができるのでしょうか。 | |
| 「本人が死亡して無権代理人が本人の地位を相続した場合」と「無権代理人が死亡し、本人が無権代理人の地位を相続した場合」とでは、結論はどのように違うのでしょうか。そのような違いが生じるのはなぜですか。 | |
| 中間省略登記とはどういう登記なのですか、中間省略登記が有効とされるために全員の合意が必要なのはなぜですか。 | |
| 「登記には公信力がない」とは、どういう意味ですか。登記簿を信じて不動産を買っても所有権を取得できないならば、不動産を買おうとする者はどうすればよいのですか。 | |
| 抵当権によって担保される被担保債権の範囲について、「利息その他の定期金」は満期となった最後の2年分に限られるのはなぜですか。 | |
| 同じ不動産に、抵当権などの担保物権がいくつも設定されている場合、それらの担保物権は、どのような順番で弁済を受けることができるのですか。 | |
| 抵当権で弁済を保証された債権(被担保債権)が時効で消滅した場合と、抵当権が時効で消滅した場合とでは、どう違うのですか。 | |
| 契約を申し込んだ者が、その申込が相手方に到達する前に死亡した場合でも、申込の効力は生じるのですか。相手方が承諾すれば、契約は成立するのですか。 | |
| 買った家が、引渡を受ける前に、隣家からの延焼で燃えてしまった場合、建物の引渡を受けることができなくなったにもかかわらず、買主は代金を支払わなければならないのですか。 | |
| 連帯債務者の一人が債権者に債務の全額を支払った場合に、他の連帯債務者に求償できるのはなぜですか。 | |
| 受働債権に同時履行の抗弁権がついていても相殺ができるのに、自働債権に同時履行の抗弁権がついていたら相殺ができないのは、なぜですか。 | |
| 法定相続分と遺留分とは、どう違うのですか。 | |
| 制限行為能力者の制度は、従来の無能力者制度とは、どこが違うのですか。 | |
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| 法定代理人は、どういう場合に復代理人を選任できるのですか。その復代理人が本人を害する行為をした場合、法定代理人はどういう責任を負うのですのか。 | |
これについては、本人が自ら他人を代理人に選んだという場合(任意代理の場合)と、たとえば未成年者の代わりにその親(親権者)が法律行為を行うという場合(法定代理の場合)とを比較して考える必要があります。 任意代理の場合、誰を代理人とするかは、本人と代理人となる者との信頼関係の下、合意で決まります。また、任意代理人に与えられる権限は、たとえば「自分の代わりに、あそこの土地を買ってください」というように、個別の法律行為に関するものであるのが通常です。すなわち、任意代理人は本人の信頼の下で、個別の行為を代理して行う者です。そのため、任意代理人が復代理人を選任することができるのは、本人がそれを承諾した場合か、または代理人に本人の承諾を得る時間的余裕がない等のやむを得ない事情があった場合です。このように任意代理人は、限られた場合に復代理人を選任することができるのみですから、その責任を負う場合もまた限られています。つまり、任意代理人は、復代理人として不適格な者を選任した(たとえば普通ならば選ばないような無能な人間を復代理人に選んでしまった)場合、または復代理人として選任した者の監督を怠ったために、本人に損害を生じさせてしまった(たとえば復代理人が本人から預かった金銭を紛失して本人に損害を生じさせてしまった)という場合にのみ、本人に対して損害賠償責任を負えばよいのです。 これに対し、法定代理の場合、誰を代理人にするかは法律で定められていることであり、この点に本人の意思も代理人となる者の意思も関わっていません。また、法定代理人に与えられる権限は、本人の財産管理に関する包括的なものであることが通常です。すなわち、法定代理人は、本人の信頼とは関係なく、包括的な行為を代理して行う者です。 |
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| 代理人として取引の場に現れた者が、実は代理人ではなかった(無権代理人であった)という場合、相手方は後日、誰に何を言うことができるのでしょうか。 | |
代理権を持たない者と契約(取引行為)をしてしまった相手方は、次の4つの手段を採ることができます もっとも、制限行為能力者が無権代理行為を行った場合には、その制限行為能力者は、契約の当事者としての義務を強制されること(履行責任)もなければ、相手方に損害賠償を強制されること(損賠償責任)もありません(民法第117条)。制限行為能力者には、そのような責任を負担する能力がないと考えられているからです。そこで、代理権を持たない制限能力者と契約をしてしまった相手方は、上記の(3)以外の手段を採ることになります。 |
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| 代理人と名乗った者が実は代理権を持っていなかったという事実を知っていながら契約をした相手方は、後日に、その契約を無権代理行為であることを理由に取り消すことができるのでしょうか。 | |
できません。 |
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| 「本人が死亡して無権代理人が本人の地位を相続した場合」と「無権代理人が死亡し、本人が無権代理人の地位を相続した場合」とでは、結論はどのように違うのでしょうか。そのような違いが生じるのはなぜですか。 | |
無権代理人が死亡して本人が相続した場合、本人は無権代理行為の追認を拒絶する(自分が契約の当事者となることを拒む)ことができます。逆に、本人が死亡して無権代理人が相続した場合、無権代理行為の追認を拒絶することは認められず、無権代理行為は有効となります。 このような違いが生じるのは、次のような理由からです。 |
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| 中間省略登記とはどういう登記なのですか、中間省略登記が有効とされるために全員の合意が必要なのはなぜですか | |
中間省略登記とは、不動産が甲から乙、乙から丙へと譲渡されたのにその登記を、中間者乙を省略して、甲から丙へと登記を移転する場合をいいます。 では、なぜ全員の合意が必要なのでしょうか。 問題となるのは、中間者乙の合意がなぜ必要なのか、です。不動産売買においては、買主は当該不動産の所有権を確保するために登記の移転を望みますが、売主としてはまだ代金を受け取っていないのに登記を買主に移転したのでは、代金の支払いと登記の移転とは同時履行の関係にあるとして、代金をもらい損ねる危険を回避することができません。そこで、中間省略登記の場合には、中間者を含めた全員の合意が必要とされるのです。 |
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| 「登記には公信力がない」とは、どういう意味ですか。登記簿を信じて不動産を買っても所有権を取得できないならば、不動産を買おうとする者はどうすればよいのですか。 | |
不動産の登記には対抗力があるだけで、公信力はありません。公信力とは、たとえ真実の権利関係とは異なる公示が存在したとしても、その公示を信頼して取引した者には、公示通りの権利状態があったのと同様の保護を与える力のことです。ですから、「登記には公信力がない」とは、不動産に関する権利関係を登記してある登記簿を見ただけで不動産を買ったとしても、その所有権を取得できるとは限らないことをいいます。 |
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| 抵当権によって担保される被担保債権の範囲について、「利息その他の定期金」は満期となった最後の2年分に限られるのはなぜですか。 | |
同じ不動産に抵当権を設定した者が複数いる場合などに、先に抵当権の登記をした者の利益と後から抵当権の登記を設定した者等の利益とを調整するためです。 そもそも貸金債権に利息のように一定期間が経過するごとに大きく増えていくものがある場合、これに一定の枠を設けなければ、後から抵当権に登記を設定する者(二番抵当権者や三番抵当権者などの後順位抵当権者)や担保を取らずにお金を貸そうとする者(一般債権者)は、それだけ自分の債権を回収できなくなってしまいます。そうなりますと、金を借りようとする者に既に一番目の抵当権がついていたならば、次に金を貸そうとする者は、自分が将来いくら回収できるのか予想を立てにくいため、「それならば金を貸さない」ということになってしまいます。 |
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| 同じ不動産に、抵当権などの担保物権がいくつも設定されている場合、それらの担保物権は、どのような順番で弁済を受けることができるのですか。 | |
抵当目的不動産については、他の担保権者や一般債権者が弁済を主張することが少なくありません。特に、抵当権者と他の担保物権者との優先順位(弁済を受けることができる順番)が問題となります。
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| 抵当権で弁済を保証された債権(被担保債権)が時効で消滅した場合と、抵当権が時効で消滅した場合とでは、どう違うのですか。 | |
被担保債権が時効によって消滅すると、抵当権の附従性(担保している債権がなくなれば、担保それ自体も存在する意味がなくなるため、担保権もなくなるという性質)により、抵当権も消滅します。このことは、債務者及び抵当権設定者(自分の借金のために自分の不動産に抵当権をつけた者と、他人の借金のために自分の不動産に抵当権をつけてあげた者をまとめて、このように言います。後者を「物上保証人」といいます)との関係においても、また抵当不動産の第三取得者や後順位担保権者との関係においても同じです。 |
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| 契約を申し込んだ者が、その申込が相手方に到達する前に死亡した場合でも、申込の効力は生じるのですか。相手方が承諾すれば、契約は成立するのですか。 | |
申込発信後到達前に申込者が死亡もしくは能力を喪失したとしても、原則として申込の効力は失われません。ですから、申込が相手方に到達すれば、申込は有効になされたことになります。 |
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| 買った家が、引渡を受ける前に、隣家からの延焼で燃えてしまった場合、建物の引渡を受けることができなくなったにもかかわらず、買主は代金を支払わなければならないのですか。 | |
買主は、この場合にも代金を支払わなければなりません。土地・建物の売買においては、危険負担の債権者主義が採られているからです。 |
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| 連帯債務者の一人が債権者に債務の全額を支払った場合に、他の連帯債務者に求償できるのはなぜですか。 | |
連帯債務において、各連帯債務者は債権者に対しては全額を弁済する責任を負っています。負担部分とは、連帯債務者となった各人が最終的に支払わなければならない金額を、債務に対する割合の形であらわしたものです。 |
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| 受働債権に同時履行の抗弁権がついていても相殺ができるのに、自働債権に同時履行の抗弁権がついていたら相殺ができないのは、なぜですか。 | |
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができます。この権利を「同時履行の抗弁権」といいます。これは、建物の売買(双務契約)において、特に「代金先払い」とか「代金後払い」とかの約束をしていない限り、買主は「物と引き替えでなければ代金は支払いません」と主張することで、金だけ取られて物が引き渡されないという事態を回避することができます。売主も「代金と引き替えでなければ物は引き渡しません」と主張することで、物だけ取られて代金を踏み倒されるという事態を回避することができます。このように、同時履行の抗弁権は、双務契約における当事者間の公平を図り、不必要な争いを未然に防ぐと同時に、自らの債務の履行を拒絶することで相手の債務の履行を担保しているのです。 |
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| 法定相続分と遺留分とは、どう違うのですか。 | |
相続分とは、被相続人(死亡した者)の有していた相続財産(遺産)のうち、どれぐらいの割合で各相続人(各遺族)が相続できるのかを示したものです。被相続人が遺言で、各相続人の相続分を指定した場合を「指定相続分」、指定がないため法律の規定で自動的に相続分が決まる場合を「法定相続分」といいます。 これに対して遺留分とは、一定の相続人のために法律上必ず留保(保証)されなければならない、遺産の一定割合のことをいいます。一方で被相続人は、その有する財産を誰にどれだけ贈与・遺贈するかの自由を有します。しかし他方で、相続人は相続分について期待するのが通常であり、相続財産による生活を保証しなければなりません。そこで、一定の相続人(兄弟姉妹以外の相続人)に一定割合での相続分を留保するのが、遺留分の制度です。遺留分の限度額よりも少ない額しか相続できなかった相続人は、自己の遺留分の範囲を守るために、現実に相続した額と遺留分との差額を、被相続人から贈与・遺贈された者に対して、返還するよう請求することができます(遺留分減殺請求)。 遺留分を有している者は、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人であることには注意が必要です。 |
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