やさしく解説 Q&A 宅建基礎と応用
応用力を身につける
応用編 (基礎はOK! さらに知識UP)
権利及び権利の変動
Q1 取消原因が止んだ後に、取り消すことができることを知った後でなければ、追認することができないのは、なぜですか。
Q2 取得時効期間満了前に、当該土地の所有権を甲から取得したAに対して、時効取得者Bが登記を備えていなくても時効取得を主張することができるのはなぜですか。
Q3 抵当権の消滅請求とはどういうことですか。抵当権の消滅請求の他に、抵当権が付いている不動産を買った者を保護する手段はありますか。
Q4 根抵当権とは、どのような権利なのですか。「一定範囲の不特定債権」とは、どのような債権をいうのですか。
Q5 地上権と土地賃借権の違いは、何ですか。
Q6 土地の売買契約において、買主のために保証人となるというのはわかりますが、売主のために保証人となるということがあるのでしょうか。その場合、売主である土地所有者が買主に土地を引き渡さないときには、保証人が売主に、当該土地を買主に引き渡すように強制することになるのですか。
Q7 建物の賃借人が建物所有者に無断で建物賃借権を第三者に譲渡や転貸した場合、当該建物賃貸借契約は、賃貸人によって必ず解除されることになるのでしょうか。
Q8 自己借地権とは、どういう権利なのですか。
Q9 所有権保存の登記、所有権移転の登記の違いは、何ですか。
Q10 地役権において、要役地を共有する者の一人について取得時効が成立したり、消滅時効の中断が生じた場合、地役権はどうなると考えればよいのですか。
Q11 「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより、他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定される」とは、どういう意味ですか。
Q12 区分所有法で、共用部分の重大な変更を決議するのに、規約で区分所有者の定数を過半数まで減ずることができるのはなぜですか。
Q13 区分所有建物の占有者が共同の利益に反する行為をした場合、行為の停止等の請求では、共同生活を維持していくことが難しいとき、「専有部分の使用を禁止する請求」ができないのはなぜですか。
Q14 被相続人Aに、配偶者B、子C・D、及び非嫡出子Eが存在する場合の、各人の法定相続分はいくらですか。
Q1 取消原因が止んだ後に、取り消すことができることを知った後でなければ、追認することができないのは、なぜですか。
A

「取消原因」とは、たとえば未成年者が親(法定代理人)の同意なしに行った法律行為においては、「未成年者であること」です。そして、「取消原因が止んだ後」とは、「未成年者でなくなってから」、つまり「成人した後」をいいます。
 そもそも未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った行為を取り消すことができるのは、社会経験が乏しく、取引について慎重な判断ができない未成年者が、狡猾な大人達によって、いいように財産をむしり取られることから保護するためです。そこで、未成年者が法定代理人の同意なしに行った取引は、未成年であったことを理由に取り消すことができるとされているのです。

このような未成年を理由とする取消は、未成年の側にとっては、自分に損害を生じさせずに済むという利点があります。しかし、未成年者と取引をした相手方には、折角取引を成立させたのに、売主が未成年者であったがために取り消されてしまうという損害を生じさせてしまいます。しかも、取消ができる期間は、追認をなしうるときから5年(未成年者と取り引きしたのならば、その者が成年に達してから5年)、又は取引のときから20年と長期間であるので、その間、相手方はいつ取り消されるのかわからない状態が続くという、不安定な地位におかれてしまいます。この相手方の不安定な地位を、「取り消すことはせず、有効な取引であったことに確定する」というのが、「追認」です。

このように、追認は、無能力者の取消権を放棄し、取引を有効なものに確定することですから、取引を行った者自身が追認をするには、取引について慎重な判断をすることができる状態になったと認められる時点以後、たとえば未成年者が取引を行ったのであれば、成年に達した後でなければならないのです。

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Q2 取得時効期間満了前に、当該土地の所有権を甲から取得したAに対して、時効取得者Bが登記を備えていなくても時効取得を主張することができるのはなぜですか。
A

甲所有の土地について、時効完成前に甲から土地所有権を譲り受けた者Aと、長年甲土地を自分の土地であるとして、占有を続けて取得時効が完成した Bとの関係は、「以前の所有者と新しい所有者との関係にある」(「前主と後主との関係に立つ」という言い方がされています)と考えることができます。そこで新しい所有者Bは、以前の所有者Aに対して、登記という対抗要件を備えていなくても、当該土地の時効取得を主張することができるのです。
 このように考えたとしても、甲から土地所有権を取得したAは、自分で土地の占有を開始すること(土地に建物を建てるなどをすること)で、Bの時効完成を阻止することができますから、格別な不利益を負わされることにはなりません。

これに対して、Bの時効完成後にCが当該土地を取得した場合(甲から取得した場合でも、時効完成前の土地取得者Aから取得した場合でも同じです)には、時効取得者Bと時効完成後の土地所有権者Cとの関係は、BもCも、甲から土地の所有権を取得した者どうしに似た関係(二重譲渡類似の関係)に立ちますから、BとCは、お互いに自分が登記を備えていなければ土地の所有権取得を主張することができません。
 このように考えたとしても、時効取得者Bは時効完成後直ちに登記を備えればすむことですから、時効取得者Bに格別な不利益を負わせることにはなりません。

このように、権利取得者の登場時期が、時効完成の前か(「前主と後主の関係」)、それとも後か(二重譲渡類似の関係)で、法律関係が全く違ってきます。

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Q3 抵当権の消滅請求とはどういうことですか。抵当権の消滅請求の他に、抵当権が付いている不動産を買った者を保護する手段はありますか。
A

抵当権の設定されている土地や建物(抵当不動産)を買った者(第三取得者)は、いつ抵当権を実行されて所有権を失うのかわからない不安定な地位にあります。そこで、抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について所有権を取得した第三者は、抵当不動産を自ら評価してその評価額を抵当権者に提供して抵当権の消滅請求をする事ができます。
これに対して、抵当権者から抵当不動産の第三取得者に対して売買代金を請求し、抵当不動産の第三取得者がこれに応じたときに抵当権が消滅する制度を、「代価弁済」といいます。
これらの「抵当権の消滅請求」「代価弁済」が、抵当不動産の第三取得者保護のための制度です。

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Q4 根抵当権とは、どのような権利なのですか。「一定範囲の不特定債権」とは、どのような債権をいうのですか。
A

たとえば電化製品の量販店が家電メーカーから製品を継続的に大量に卸してもらうとき、その製品の代金は一定期間ごとに一括して支払うことになるのが通常です。このような取引から生じる代金債権を担保するために、量販店が自己所有店舗(建物)に根抵当権を設定します。
もしもこれが根抵当権ではなく、「抵当権」であったならば、被担保債権が発生・消滅するたびに設定・抹消を繰り返されることになります(抵当権の附従性)。これではあまりにも手間がかかり、商売になりません。再び設定した抵当権は、もはや他の抵当権者等に優先できませんから、債権者にとってはなおさら不便です。そこで、実務上の必要性から、判例で根抵当権が認められ、昭和46年の民法改正で法的にも認められるようになったのです。
「一定範囲の不特定債権」とは、物の売買取引、銀行取引、手形貸付取引、保証委託取引など、取引の種類を限定された債権をいいます。上記の例では、「電化製品の量販店が家電メーカーから製品を継続的に大量に卸してもらうときのその製品の代金債権」がこれにあたります。根抵当権の登記に、この被担保債権の範囲は「売買取引」と記されます。このような制限のない根抵当権を「包括根抵当権」といいますが、これは認められていません。

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Q5 地上権と土地賃借権の違いは、何ですか。
A

地上権も土地賃借権も、建物所有を目的としている限り、借地借家法が適用されますので、それらの権利を譲渡する際に土地所有者の承諾が必要か否かという点を除いて、違いはありません。
 
 物権である地上権の譲渡は、地上権者が自由に行うことができ、その際に土地所有権者の承諾は不要です。
 これに対して、債権である賃貸借契約は、賃借権を譲渡する際に、賃借権譲渡人と賃借権譲受人の合意があるのみならず、賃貸人の承諾が必要です。この承諾がない場合、賃借権の無断譲渡を理由に、賃貸人は、原則として賃借人との間の賃貸借契約を解除することができます(例外については、Q8のAnswerを参照)

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Q6 土地の売買契約において、買主のために保証人となるというのはわかりますが、売主のために保証人となるということがあるのでしょうか。その場合、売主である土地所有者が買主に土地を引き渡さないときには、保証人が売主に、当該土地を買主に引き渡すように強制することになるのですか。
A

保証債務は、他人が債務者に代わって履行することができる、金銭債務の保証のために成立するものばかりではありません。債務者以外の者では代わりに履行することができない債務である、不代替的給付を保証する場合もあります。
たとえば土地所有者Aと、買主Bとの間で、当該土地の売買契約が締結されて、売主であるAのためにCが保証人になったという場合、Aが当該土地をBに引き渡さなかったからといってCが当該土地の引渡をすることはできません。しかし、売主が不動産を引き渡さなかった場合には、債務不履行ということで損害賠償責任が生じます。損害賠償は金銭で支払われますから、損害賠償債務は金銭債務です。そこで、この売主が将来負うことになる金銭債務について、あらかじめ売主の保証人は保証していたということができるのです。

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Q7 建物の賃借人が建物所有者に無断で建物賃借権を第三者に譲渡や転貸した場合、当該建物賃貸借契約は、賃貸人によって必ず解除されることになるのでしょうか。
A

賃貸借は、賃貸人と賃借人との間の信頼関係を基礎とする、継続的法律関係(売買のように、物の引渡と代金の引渡とで終了する法律関係とは異なります)であるため、当事者間の信頼関係が破壊されるような行為は認められません。
賃借人が誰であるかは、賃料を確かに払ってくれるのかどうか、賃貸借契約の目的に従った利用がなされるのかどうか等の点で、賃貸人にとっては重大な関心事です。そうであるにもかかわらず、賃貸人の承諾もなしに賃借権を譲渡又は転貸することは、賃貸人の利害を無視した、まさに信頼関係を破壊する行為といえます。そこで、賃借権の無断譲渡又は無断転貸は、認められず、賃貸借契約は賃貸人によって解除されるのです。
しかし、賃借権の無断譲渡又は無断転貸であっても、それが当事者間の信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情がある場合には、賃貸人の解除権行使は否定されます。
 つまり、賃借権の無断譲渡又は無断転貸があれば賃貸借契約を解除することができ、賃借人がこれに対し特段の事情を立証できれば、解除の効力が認められないことになるのです。実際上、背信的行為にあたらないとして解除が否定される事例は、同居の親族への賃借権譲渡等で、利用の主体が実質的に代わっていない場合に限られています。
このように、原則として賃借権の無断譲渡又は無断転貸は認められず賃貸借契約は解除されますが、例外としてその無断譲渡又は無断転貸が当事者間の信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情がある場合には賃貸借契約は解除されないのです。

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Q8 自己借地権とは、どういう権利なのですか。
A

自分の所有する土地に、自分を借地人として設定した借地権を、「自己借地権」といいます。自己借地権は、「混同の原則」に違反するとして、原則として認められていません。
「混同の原則」とは、同一の物について所有権と所有権以外の物権が同一人に帰属しているとき(たとえばある人が自分の所有している物について、地上権などの所有権以外の物権を取得したとき)には、その所有権以外の物権は、存在する意味を失って消滅するという原則のことをいいます。債権および債務が同一人に帰属したとき(たとえば賃借人が賃貸人の地位を相続等により取得したとき)も同様に、「混同の原則」により、賃借権等の債権は消滅します。  このため人は、自分の所有する土地上に、地上権であれ賃借権であれ自分を借地人とする借地権を設定することは、原則として認められません。
しかし、この混合の原則をあらゆる場面に徹底したのでは、不都合な場面が出てきました。たとえば自己所有土地上にマンションを建築し借地権付マンションとして分譲する場合、土地所有者は、混同の原則により借地権が消滅するのを避けるために、その敷地である土地について、まず自分以外の第三者に借地権を設定してから、マンション購入者にその敷地の準共有部分を順次譲渡していくという、まわりくどい方法を採らざるを得なかったのです。
このことから、借地借家法は「自己借地権」の制度を新設して、このような回りくどい方法を採らなくてもすむようにしました。すなわち、敷地所有者は、自分のために借地権を設定し、その順共有部分を購入者に順次譲渡すればよくなりました。
このように、区分所有建物の場合に、他の者と一緒に借地権者となる場合に限り、例外的に自己借地権が認められるようになったのです(借地借家法15条)。

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Q9 所有権保存の登記、所有権移転の登記の違いは、何ですか。
A

所有権保存の登記とは、不動産についてはじめてする所有権の登記のことをいいます。建物を新築した場合、それまでその建物は存在しなかったのですから、その登記も未だありません。そこで、その建物について登記簿を作らなければ、権利関係を公示することができません。登記簿を作った場合、権判部に最初の所有者として公示するのが、所有権保存の登記です。
所有権移転の登記とは、不動産の所有権が移転した場合に、新しい所有権者を公示するためになされるものをいいます。

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Q10 地役権において、要役地を共有する者の一人について取得時効が成立したり、消滅時効の中断が生じた場合、地役権はどうなると考えればよいのですか。
A

地役権と時効の問題を考える場合には、できる限り地役権が取得される方向・存続する方向で考えてください。地役権は要役地の使用価値を増加させるものですから、要役地のためには地役権が取得・存続される方が良いのです。
要役地が複数人に共有されている場合、その共有者の一人のために地役権の取得時効が完成すると、共有者全員のために地役権が取得されたことになります(民法284条1項)。
その取得時効が完成する前に、共有者の一人に対して取得時効の中断がなされただけでは中断の効力は生じません。共有者の全員に対して中断をなしてはじめて中断の効力が生じます(民法284条2項)。
 要役地の共有者が地役権を行使しないために地役権が消滅する場合、共有者の一人が消滅時効を中断すれば、その効力は全共有者に及びます。すなわち、その場合、地役権は時効により消滅しません。共有者の全員が地役権を行使しない場合に、はじめて地役権は時効により消滅するのです(民法284条3項)。

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Q11 「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより、他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定される」とは、どういう意味ですか。
A

建物や塀などの工作物の設置又は保存に瑕疵(欠陥)があったために他人が損害を受けた場合には、その所有者は、工作物の設置又は保存に瑕疵が生じていたことについて過失がなかったことを立証しても、損害賠償責任を免れることができません(民法717条)。この民法の規定を区分所有法にも及ぼし、又区分所有建物の特殊性も考慮して、区分所有法9条は、上記のような規定を置きました。
瑕疵の存在した場所が専有部分にある場合には、その専有部分の区分所有者が損害賠償責任を負えば足ります。しかし、共用部分に瑕疵が存在したため、他人に損害を生じさせてしまった場合には、当該共用部分を共有する区分所有者全員が共同して損害賠償責任を負うことになります。
このように、瑕疵の存在した部分が区分所有建物の専有部分なのか共用部分なのかで、被害者が誰に対して損害賠償を請求すればよいのかが異なります。しかし、建築関係の専門家でない限り、瑕疵が区分所有建物のどの部分にあったのかを特定することは容易ではありません。そこで、区分所有法9条は、被害者の立証責任(瑕疵が区分所有建物のどこにあったのかを立証する責任)を軽くするために、瑕疵の存在場所が不明な場合は、瑕疵は共用部分にあるものと推定しました。被害者は共用部分を共有する区分所有者全員を被告として裁判所に訴えればよいのです。

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Q12 区分所有法で、共用部分の重大な変更を決議するのに、規約で区分所有者の定数を過半数まで減ずることができるのはなぜですか。
A

たとえば4階建ての区分所有建物で、区分所有者はAからDの4名、専有部分の総床面積が400平方メートル、4階部分と3階部分に区分所有者Aが1人(専有部分の床面積は100平方メートル)、2階部分に区分所有者のBが1人(専有部分の床面積は100平方メートル)、1階部分に区分所有者のCとDの2人(専有部分の床面積は各50平方メートル)がいたとします。
そして、集会で区分所有建物にエレベーターを増設すること(共用部分の重大な変更)を決議することになったとします。この場合、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。「区分所有者」と「議決権」の両方の要件を満たさなければなりません。
 ですから、上記区分所有建物で、エレベーター増設の決議があったといえるためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。すなわち、区分所有者の4分の3以上(4名中3名以上)で、かつ、それらの者の所有する専有部分の合計が当該区分所有建物の総床面積(400平方メートル)の4分の3以上(300平方メートル以上)の多数で賛成しなければなりません。
もしも1階部分の区分所有者であるCとDの2人が、エレベーター増設工事に反対したならば、エレベーターを増設することについて賛成する「議決権」については4分の3以上という要件が満たしているにも関わらず、「区分所有者」の要件については4人中の2人しか賛成したことにならず、決議は否決されてしまいます。
これでは、多数の専有部分を有するAの決議に参加する権利が、持分の大きさの割に著しく弱めることになってしまいます。
共用部分の変更は、規約の設定や変更等と異なり、共有物の処理に関する事柄ですから、区分所有関係における持分の大きさを重視する要請が比較的大きいと考えられます。そこで、このような点を考慮して、共用部分の重大な変更の決議についてだけは、規約によって、区分所有者の数に関する議決要件を過半数まで緩和する余地を残しているのです。

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Q13 区分所有建物の占有者が共同の利益に反する行為をした場合、行為の停止等の請求では、共同生活を維持していくことが難しいとき、「専有部分の使用を禁止する請求」ができないのはなぜですか。
A

使用禁止の請求は、共同の利益に反する行為をする区分所有者に対し、まず行為の停止等の請求をしたにもかかわらず、区分所有者がそれに従わないという場合に、「貴方自身が使用することは、相当の期間やめてくれ」と請求するものだからです。ただし、この請求は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって、訴えによらなければなりません。
区分所有者自身の使用を禁止しても、区分所有者は、その期間、当該専有部分を賃貸することができますから、区分所有者の損害は、自らが使用できないというにとどまります。

これに対して、占有者に対して専有部分の使用を禁止することは、占有の根拠となっている区分所有者と占有者との間の契約(賃貸借契約など)を解除し、引き渡すように請求することで実現されます。この請求は、共同の利益に反する行為をする占有者に対し、まず行為の停止の請求をしたにもかかわらず、占有者がそれに従わないという場合になされるものです。ただし、この請求は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議をもって、訴えによらなければなりません。

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Q14 被相続人Aに、配偶者B、子C・D、及び非嫡出子Eが存在する場合の、各人の法定相続分はいくらですか。
A
  1. 子が複数いる場合の、子の相続分について
    被相続人(死亡した者)の配偶者と子(嫡出子、非嫡出子、子がいない場合の孫を含みます)が相続人である場合、相続財産の1/2を配偶者が、残りの1/2を子が(嫡出子、非嫡出子、子がいない場合の孫が何人いようとも、子供全体で)相続します。ですから、たとえば被相続人Aに妻Bと、C・Dの2人の子供(嫡出子のみ、又は非嫡出子のみ)がいる場合、妻Bが1/2、子Cが1/4(子全体の相続分である1/2×子が2人いるために1/2)、子Dも1/4(同左)の割合で財産を相続します。相続財産が1,200万円である場合、Bは600万円を、CとDは、各300万円を相続します。
    このように子全体としての1/2の相続財産を、さらに各人の相続分に応じて分けることに注意をしてください。

  2. 嫡出子と非嫡出子とがいる場合の各人の相続分について
    相続人として、配偶者Bと嫡出子C、嫡出子D、及び非嫡出子Eがいる場合、相続財産の1/2をBが、残りの1/2をCDEの3人で相続します。前述のように、非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2ですから、その割合は嫡出子C「2」:嫡出子D「2」:非嫡出子E「1」となり、「2」「2」「1」の合計である「5」を分母として、C2/5:D2/5:E1/5になります。相続財産が1,200万円である場合、Bは600万円を、Cは240万円を、Dは240万円を、Eは120万円を相続します。
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