やさしく解説 Q&A 宅建基礎と応用
応用力を身につける
応用編 (基礎はOK! さらに知識UP)
税・その他
Q1 「停止条件付き債権」、「始期付き債権」とは、どういう債権ですか。
Q2 土地に抵当権が設定された後に、当該土地に建物が建築された場合、土地とともに建物も競売できるのはなぜですか。そのとき土地の代金についてのみ優先的に弁済を受けられるのはなぜですか。
Q3 仮登記処分命令とは、どのような命令のことですか。
Q4 都道府県知事が国土法28条に基づいて遊休土地に指定する面積要件について、「監視区域内に一団の土地の場合には、都道府県の規則で定める届出対象面積(その届出対象面積が、規制区域における面積に満たないときは、その規制区域内の面積)以上の一団の土地であること」となっていますが、これはどういう意味ですか。
Q5 定期借家制度について、教えてください。
Q1 「停止条件付き債権」、「始期付き債権」とは、どういう債権ですか。
A

停止条件付き債権とは、その効力の発生を、将来の不確定な事実に係らせる債権をいいます。たとえば建物所有者の転勤が決まったら、当該建物の所有権を移転し、代金支払請求権を行使しうるという契約をいいます。建物所有者の転勤が決まるまでは、当該建物の所有権を移転する義務が生じない代わりに、代金支払請求権も行使し得ないのです。
これに対し、始期付き債権とは、その効力の発生又は債務の履行を、将来到来することの確実な事実の生起に係らせる債権をいいます。たとえば年末になったら、自己所有建物を売却するという売買契約を始期付き債権といいます。これに対して、その効力の消滅を、将来到来することの確実な事実の生起に係らせる債権を「終期付き債権」といいます。このように、法律行為の発生・履行に関する期限を「始期」、消滅に関する期限を「終期」といいます。

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Q2 土地に抵当権が設定された後に、当該土地に建物が建築された場合、土地とともに建物も競売できるのはなぜですか。そのとき土地の代金についてのみ優先的に弁済を受けられるのはなぜですか。
A

更地(土地の上に建物も何も建っていない土地)に抵当権が設定された後に、当該土地に建物が建築された場合、土地とともに地上建物も一緒に競売することができることを「一括競売」といいます。
たとえば債権者Aから1億円を借りるにあたり、債務者Bが自己所有更地に抵当権を設定したとします。この場合であっても、債務者Bは、当該土地の上に建物を建てることは自由に行うことができます。抵当権が設定された物については、抵当権設定者(債務者又は物上保証人。この例では、債務者B)が使用・収益権能を有しているからです。
その後、抵当権が実行され、当該土地がCに競落されたとします。この場合には、法定地上権が成立しませんから(「抵当権設定時に土地の上に建物が建っていること」という要件を欠きます)、建物所有者Bは、このCの物になった土地上に建物を所有する権利を失うことになります。そうなりますと、Bは、Cから「建物を取り壊して、更地にして引き渡してください」と請求されたなら、これに応じなければなりません。これでは、せっかく建てた建物の価値を無駄にすることになってしまい、社会経済的損失が少なくありません。
そこで、このような場合には、民法は土地と建物を一括して競売できるとすることで、土地も建物も競落人に帰属させることにしました。上の例では、土地も建物も競落人Cの所有物になりますから、建物を取り壊すという結果を避けることができます。
そうではありますが、一括競売は、土地に設定された抵当権の効力が、地上建物にまで及ぶことを認めたわけではありません。競落人Cが土地と建物を競落するために支払った金(競落代金)をすべて抵当権者(債権者)Aが取得できるのではなく、そのうちの土地についての競落代金についてのみ、AはBの他の債権者に優先して、弁済を受けることができます。建物についての競落代金は、Bの他の債権者と、平等の立場で弁済を受けることができるにとどまります。

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Q3 仮登記処分命令とは、どのような命令のことですか。
A

仮登記処分命令とは、仮登記を命じることを裁判所の「判決」によるのではなく、それよりも簡易な「決定」という形式で仮登記を命じる処分をいいます。
仮登記義務者が共同申請に協力せず、又は仮登記権利者がする単独申請のための承諾書を拒む場合には、仮登記権利者は、確定判決を得て単独で仮登記を申請することができますが、仮登記が本登記のような対抗力を有しない一時的・仮定的な予備登記に過ぎないことから、判決によるまでもなく、簡易な仮処分命令によって仮登記処分を命じるものです。すなわち、仮登記権利者は、当該不動産の所在地を管轄する地方裁判所に対して、仮登記原因を疎明して(説明して)、仮登記を命じる仮処分命令の発令を申請することができます。この疎明によって仮登記原因の存在が一応認められるときは、裁判所は担保を提供させることなく、決定の形式で仮登記を命じる仮処分命令を発します。

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Q4 都道府県知事が国土法28条に基づいて遊休土地に指定する面積要件について、「監視区域内に一団の土地の場合には、都道府県の規則で定める届出対象面積(その届出対象面積が、規制区域における面積に満たないときは、その規制区域内の面積)以上の一団の土地であること」となっていますが、これはどういう意味ですか。
A

監視区域内の一団の土地であり、都道府県の規則で定める届出対象面積が500平方メートルである場合、原則として、その面積以上の土地について、都道府県知事は遊休土地である旨を通知できます。
しかし、例外として、その土地が監視区域内の一団の土地である場合、上記の届出対象面積と、規制区域における面積(市街化区域の土地では1,000平方メートル、市街化区域を除く都市計画区域の土地では3,000平方メートル、上記以外の区域の土地では5,000平方メートル)とを比較します。そして、後者の方が大きい場合に、後者の面積以上の土地について、都道府県知事は遊休土地である旨を通知できます。
たとえば市街化区域においては、規制区域における面積は1,000平方メートルですから、都道府県の規則で定める届出対象面積が500平方メートルである場合、規制区域における面積である1,000平方メートル以上の土地について、都道府県知事は遊休土地である旨を通知することができるのです。

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Q5 定期借家制度について、教えてください。
A

  1. 定期借家制度の定義
    定期借家制度とは、期間の満了により建物賃貸借契約が終了し、更新されることがないものをいいます。借地借家法38条1項の改正により創設された制度です。
    従来の建物賃貸借契約では、期間が満了しても、正当事由がない限り、建物賃貸人は更新の拒絶又は解約の申入れをすることができませんでした。しかし定期借家契約においては、賃貸人からの明渡請求に正当事由は不要ですから、建物賃貸人は、期間が満了すれば、正当事由がなくても建物の占有を自分の下に取り戻すことができるのです。
  2. 定期借家契約の特徴
    (1) 定期借家契約は、期間の満了により終了しますので、更新はありません。
    (2) 定期借家契約には、借地増減請求権がありません。すなわち、定期借家契約において賃料の改定に関する特約をした場合には、たとえそれにより算定された借賃が著しく不相当であるとしても、当事者はそれに拘束されます。
    (3) 定期借家契約では、期間中の中途解約は、原則として認められません。例外として、@居住用建物の定期借家契約で、A賃貸床面積が200平方メートル未満であり、B特別の事情があるとき(賃借人の転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったとき)には、賃借人は、解約の申入れをすることができます。解約の申入れの日から1カ月を経過することにより、建物賃貸借は終了します。
  3. 定期借家契約の締結手続
    このような定期借家契約が締結されるためには、@それが2000年3月1日以降に締結される建物賃貸借契約であって、Aこの契約が更新されることがない定期借家契約である旨を公正証書その他の書面で定め、B賃貸人が賃借人に対し、一定事項を記載した書面を交付して説明をしなければなりません。
  4. 定期借家契約の終了
     定期借家契約が終了し、賃借人に建物明渡を請求するには、期間が1年以上に定められている定期借家については、期間の満了の1年前から6カ月前までの間(「通知期間」といいます)に、賃貸人が賃借人に対し、期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければなりません。もしもこの通知が、通知期間を経過した後、建物賃貸借契約期間の満了までの間になされた場合には、通知がなされた日から6カ月を経過した日に契約は終了します。
  5. 従来の建物賃貸借契約と定期借家契約の併存
    前述のように、定期借家契約は2000年3月1日以降に締結された契約について成立しますから、現在締結されている建物賃貸借契約が直ちに定期借家契約に変更されるわけではありません。
    また、2000年3月1日以降に締結される建物賃貸借契約であっても、そのすべてが定期借家契約になるわけではなく、当事者の合意で、普通の建物賃貸借契約にするか、定期借家契約にするかを選択することができます。ですから2000年3月1日以降は、普通の建物賃貸借契約と定期借家契約が併存することになります。
  6. 普通の建物賃貸借契約から定期借家契約への切り替えの可否
    締結された普通の建物賃貸借契約を、当事者の合意で終了させて、定期借家契約に切り替えすることができるかについては、居住用建物の賃貸借であるのか、営業用建物の賃貸借であるのかによって異なります。
    居住用建物の賃貸借については、当事者の合意によりこれを終了させた上で、新たに同一の建物を目的として定期借家契約に切り替えることは、「当分の間」認められません(改正法附則3条)。
    これに対し、営業用建物の賃貸借については、そのような制限がありませんから、従来の普通の建物賃貸借契約を合意で解除して、同一の建物について定期借家契約に切り替えることができます。
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法令上の制限
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